子宮がんは子宮の入り口にできる「頸がん」と子宮の奥にできる「体がん」があります。 また、そのほかに、膣がん・卵管がん・卵巣がんなどもあります。
「子宮頸がん」は20～30歳代の女性に多く、HPVというウイルスの感染が原因で、発症することが明らかになっています。そのためウイルス感染の早期発見をすることで早めに対策を立てることができます。
但し、HPVというウイルスに感染しても実際に子宮頸がんになる方は少数ですので、あわてる必要はありません。
子宮頸がんの原因はウイルス！
子宮頸がんは、他のがんと異なり原因が解明されています。子宮頸がんの原因は、ほぼ100％がヒトパピローマウイルス（HPV）というウイルスの感染であることが明らかになっています。子宮頸がんの原因である発がん性HPVは、皮膚と皮膚（粘膜）の接触によって感染するウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。女性の約80％が一生に一度は感染していると報告があるほどで、とてもありふれたウイルスです。このため、性交渉のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。
日本の子宮頸がん検査の現状
現在の日本での子宮頸がん検診はほとんど無作為な細胞診によって行われており、その結果だけをもって判定されているのが現状です。
また、10～20代の若い女性の子宮頸がんの初期や異形成 （子宮がんの前の段階）の方が急増しています。子宮がん検診の対象年齢はかなりの現実的なずれがあると言わざるを得ません。
子宮頸がんになる前に、HPV（ヒトパピロマウイルス）の感染の有無を調べることが必要だと考えています。
子宮頸がんは予防できます
子宮頸がん予防ワクチンは、発がん性HPVの中でも特に子宮頸がんの原因として最も多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンで、海外ではすでに100カ国以上で使用されています。日本では2009年10月に承認され、一般の医療機関で接種することができるようになりました。
3回のワクチン接種で、発がん性HPVの感染から長期にわたって身体を守ることが可能です。しかし、このワクチンは、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前がん病変や、がん細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV16型とHPV18型のウイルスに対する抗体をつくらせるワクチンです。
※このワクチンに含まれるウイルスには中身（遺伝子）がないので、接種しても感染することはありません。
サーバリックスとガーダシル
子宮頸がん予防の新ワクチン『ガーダシル』
子宮頸がん新予防ワクチン「ガーダシル」 GARDASIL （ガーダシル）はヒトパピロマウイルス(HPV)のち 6型, 11型, 16型, 18型が関与して起こりうる次の疾患の予防に役立つ予防接種です。それ以外の型のウイルスや原因でなる病気の予防には全く効果がありません。
- 子宮頸ガン
- 子宮頸部の前癌病変や異形細胞病変
- 膣の前癌病変や異形細胞病変
- 陰唇の前癌病変や異形細胞病変
- 尖圭コンジローマ
このワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV16・18型のウイルスに対する抗体をつくらせると共に、尖圭コンジローマの原因となりやすいHPV6・11型のウイスルに対する抗体もつくらせるワクチンです。
※このワクチンに含まれるウイルスには中身（遺伝子）がないので、接種しても感染することはありません。
尖圭コンジローマとは？
- 原因ヒト乳頭腫ウイルス（ＨＰＶ）ＨＰＶには子宮頸ガンを引き起こすリスクの高いものもある
- 女性の症状潜伏期間（約3ヶ月）外陰部・膣壁・子宮の口元にニワトリのトサカ状のイボ
新生児への産道感染・肺炎喉にイボ痛みやかゆみはあまりない - 男性の症状潜伏期間（約３ヶ月）症状が出ない場合が多い亀頭・陰のうにイボ
- 治療 軟膏、科的切除、凍結治療
大きくなるとカリフラワーやニワトリのトサカのような状態になることもあります。再発しやすく、完全に治すことが難しいと言われています。
接種費用
| 内容 | 価格 |
|---|---|
| ワクチン１回分 | 18,900円 |
| ワクチン３回分セット | 49,700円 |
子宮頸がんを完全に防ぐためには、子宮頸がんワクチンの接種だけではなく、定期的に子宮頸がん検診を受けて前がん病変のうちに見つけることが大切です。ワクチン接種後も、年に1回は子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。
